現在、世界では色々なウイルスがあります。
コロナウイルス、インフルエンザ、エイズ、鳥インフルエンザなど新しい感染症が現れ、人間の健康を脅かそうとしています。
病原体が薬剤耐性を獲得したり、病原体を媒介する昆虫に対する殺虫剤が環境汚染の原因となるため使えなくなるなど、感染症を撲滅することが難しい現状も分かってきました。
さらに、感染を拡げないための強制隔離や情報公開は、現代では感染者・関係者の人権と相反するため、必要最小限の対策しかできません。
このため、現在は感染症と共存し感染症の脅威をしのぐことが必要と考えられるようになっています。
今回は生活習慣で予防できる事をまとめてみました。
手洗い
手洗いは、感染症予防の基本中の基本。
机、水道栓、ドアノブ、エレベーターボタン、吊革などに付着した病原体が、手を介して口、目、鼻などの粘膜から体内に入り、感染します。
石鹸によるこまめな手洗いが、感染の機会を少なくします。
マスク
咳やくしゃみをした時のしぶきにはウイルスが含まれています。
マスクをすることで、自分のしぶきで他人にうつさない注意をしましょう。
最近は、咳やくしゃみを手ではなく、袖で遮ることが勧められています。
うがい
うがいは日本独特の感染予防の生活習慣です。
この効果については、うがいをした場合の発症率はうがいをしない場合に比べて40%低下するとした報告があります。
水の乱流によってウイルスそのものか、埃の中にあってウィルスにかかりやすくするプロテアーゼという物質が洗い流されること、水道水に含まれる塩素が何らかの効果を発揮したことなどが、発症確率低下の理由と考えられています。
また、ヨード液でそれほど効果が出なかったことについては、ヨード液がのどに常在する細菌叢を壊して風邪ウィルスの侵入を許したり、のどの正常細胞を傷害したりする可能性が考えられています。
湿度・換気
室内の環境で注意することは、湿度と換気です。
インフルエンザウイルスは乾燥した空気を好みますから、部屋のなかの湿度管理とこまめな換気を忘れずに行ないましょう。
インフルエンザにかかった人がくしゃみをした後には、空気中に長時間ウイルスが残っているため、換気によりウイルスを少なくします。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎で嘔吐した場合も、空気中にウイルスがまき散らされるため、換気が重要です。
ぬれタオルを室内につるしておくことで湿度をあげることができます。
加湿器を使う場合は、清掃・掃除をこまめにして、カビや雑菌が繁殖しないように注意しましょう。
バランスの良い食事
タンパク質:免疫(病原体などから人守る体に備わった仕組み)で主役の白血球細胞や抗体の原料となります(肉類、魚介類、豆腐・納豆などの大豆製品、乳製品、卵、豆類)。
緑黄色野菜:(つるむらさき・小松菜・つる菜・にら・菜花・からし菜・クレソン・かぶの葉・大根の葉・かぼちゃ、にんじん、ピーマン、ブロッコリーなど)。
淡色野菜:(キャベツ・玉ねぎ・きゅうり・セロリ・大根・白菜・レタス)
最近は淡色野菜の免疫強化機能が注目されています。
果物:(りんご、バナナ、みかん、いちごなど)を充分(1日200g:リンゴで1個、みかんで2個に相当)とりましょう(ただし、甘い果物はカロリーのとり過ぎに注意して下さい)。
ファイトケミカル:(植物の香りや苦みのもと:ブルーベリーのアントシアニン、お茶のカテキン、キノコのβグルカンなど約1万種類)は第7の栄養素として免疫強化機能が注目されています。
発酵食品:有益菌はプロバイオティクスと呼ばれ、有害菌の増殖を抑えて腸内フローラを整え、免疫活性化にも有効です。
主食の炭水化物:(ごはん、麺類、パン)と、脂肪も適切にとりましょう。
バランスの良い食事が免疫の力を高めます。
休養
睡眠を充分とりましょう。
免疫の力は疲労の回復や、睡眠によって保たれます。
最近は「笑い」がストレスを和らげ、免疫の力を強めることが注目されています。
適切な抗生物質の使用
抗生物質(抗菌薬)は、細菌を退治する化学物質から作られた薬で、細菌による感染症の治療に用いられます。風邪の原因の多くはウイルスであり、
- ウイルスに抗生物質は効かない
- 抗生物質を服用しすぎると、抗生物質が効かない耐性菌をつくりだす可能性がある
- 風邪の予防目的に服用する必要はない
- 長期に抗生物質を服用することにより、腸炎をおこし激しい下痢・下血をおこしたり、皮膚が火ぶくれのようになり死に至ることもあるスティーブンスジョンソン症候群という恐ろしい副作用がある
ことなどを認識していただき、安易に抗生物質を使うべきでないことを知っていただきたいと思います。
まとめ
予防するのは難しいことよりも普段の意識でできることが多いです。感染症にかからないように普段から自分、家族の健康を守るために出来ることから心がけて生活習慣に取り入れて健康なカラダを作っていきましょう。
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